モチベはアイドル

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《中国映画》頤和園(2006)を見た。

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頤和園(2006)

英語名:summer palace

邦題:天安門、恋人たち

監督: 娄烨

主演:郝蕾,郭晓冬

カテゴリー:ドラマ、ラブストーリー

サイト:中国の動画サイトでは見れません。

日本で見るならレンタルしかないと思います。

個人評価:💙💙💙半

 

 

あらすじ:

東北地方生まれの余虹。北清大学に合格し、当時の恋人、晓军と離れて北京へ。

宿舎暮らしの余虹は部屋の外で煙草を吸っていた時、李缇という隣の部屋の女に話しかけられ、友達になる。

 

そして彼女の紹介で出会ったのが、李缇の彼氏・若古の親友である周伟だった。余虹にとって周伟は刺激的な存在で、どんどんと深い恋に落ちていく。しかし、終わりが来ることが怖い余虹と、その気持ちを理解できない周伟は少しずつすれ違っていく。

 

北清大学の学生もしばらくデモに参加していたが、天安門事件でついに学生たちは鎮圧されてしまう。学生鎮圧と同じタイミングで李缇と周伟がデキたことを知ってしまった余虹は、大学を中退し故郷に戻っていった。一方で周伟は李缇、若古と一緒にベルリンに向かった。こうして、余虹と周伟の2人は連絡も取らなくなった。

 

中国各地を転々とする余虹だったが、誰と出会っても思い出すのは周伟のこと。

周伟も余虹を度々思い出していた。そして周伟が中国に戻ってきた時、大学時代の同級生と偶然出会し、余虹が結婚したと聞く。すぐさま彼女にメールを送り、落ち合った2人だったが....。

 

 

 

 

感想:

セリフがそこまで多くありません。物語としてというよりは、人の人生、生活をそのまま見ているような感覚でした。(語りはありましたが)

 

喫煙シーンと性行為シーンの多さが目立つ。

性行為の多さに途中で「私は何を見ているのだろう」という気持ちになりました...。主人公はそういう行為でしか自分という存在や本心を確認できないのかな...と思ったり。あるいは行為中に思い浮かぶ周伟を求めて..周伟が心にいることを確かめたいのかな。

 

 

 

余虹は「平凡な生活は自分を惨めにする」と思っている人。刺激を求め、思うがままに生きている感じ。だからいろんな人と関係を持ってしまったり。

周伟と出会ってからは彼だけのことしか考えられないくらいに夢中。にも関わらず、付き合った後もすぐに終わりが来るのが怖いから別れたい、と言い出した。情緒が不安定。

大学中退後、嫁がいる男性と抱き合っても、自分のことを愛してくれる人を見つけても、心で想っているのは周伟だった...。

 

余虹はざっくりいうとこんな感じ。何をしていても不安定な雰囲気の人。

「主人公の不安定さを見ているのがしんどい」
こんな風に思ったのが率直な感想です。

 

 

不思議だったのは、李缇が周伟とデキてしまい、ベルリンに行ってからも関係が続いていたのはこと。人間関係もフリーダムで、ということなんでしょうか....。それまで楽しそうにしていた李缇が突然自殺してしまったときの儚さと言ったらもう....。

 

 

印象的だったのは、北京の学生たちがみんなでトラックに乗り込んでデモに参加しに行き、帰りは意気揚々と歌を歌いながら夜道を歩くシーン.....これをみた時、当時の人たちはそれだけ「自由」を求めてつっ走っていたんだなと思いました。

 

 

 

 

 

邦題につられてみた人にとっては、思ったより天安門事件事件の描写は少ないと感じるかも。決して事件が主役の話ではない、と感じました。

 

題名を見たのは結構前なんですが、その時から「天安門事件が起きながらもひたむきに愛し合う恋人同士の明るい話なのかな」と思っていました。しかし全く違いました。😂

ただ、強烈に「娄烨っぽい」と思いました。娄烨監督が好きな人は他の映画と比べながら見てもいいかも。

 

モヤモヤする終わり方。いろんな気持ちや考察が湧き出てきて、なんだかもう一回見たいような気にさせる。でもやっぱり気持ちがしんどいから見たくない😂そんな気持ちになる映画です。(どんな映画)

 

 

 

 

 

 

特にこの映画は人によって全く違う受け取り方になると思いますし、考察がたくさんあってこそ面白い話なのかな、と感じました。

 

ぜひ皆さんも見てみて、考察してみてください。

あと、意外な結末を迎えるのでそこもお楽しみに。