如果，爱（2005）
英語名：perhaps love
邦題：ウィンター・ソング
監督： 陈可辛
主演:金城武，周迅，张学友
カテゴリー：ドラマ、ラブストーリー、ミュージカル
サイト：爱奇艺VIPで見れます。
個人評価：💙💙💙💙
あらすじ：
香港俳優の林见东は、ミュージカル映画の撮影のために上海へ行く。そして彼はスタジオで元彼女・孙纳と再会を果たす。
2人はかつて北京で愛し合った仲だったが、 孙纳は自分の夢（女優になること）をかなえるために彼の元を去った。それから10年も月日が流れていた。林见东は毎日のように孙纳の夢でうなされるほど今でも彼女を愛していた。一方で孙纳は、林见东と同じ学校で映画について学んでいた現在映画監督の聂文と何年も共に作品を作り、時間を共にした深い関係になっていた。
そんなことを知ってもなお、林见东はかまわず、「北京に戻ろう、一度だけでもいいから」と撮影の合間に孙纳へ訴える。最初は突っぱねていた孙纳だったが、監督（聂文）が姿を消したタイミングで林见东とかつて一緒に暮らしていた北京の家へ2人で戻る。一瞬でも昔の記憶を取り戻して幸せそうに見えたが…...林见东、孙纳、聂文に訪れる結末とは…？
感想(ネタバレあり)：
監督は「甜蜜蜜（ラブソング）」や「亲爱的」などの作品を出している 陈可辛。正式にいうと香港映画の部類に入るみたい。(林见东は香港俳優の設定なので、冒頭は粤语を話しています。
甜蜜蜜を見た後はマギーチャンの切ない表情が頭から離れなかったのだけど、今回は金城武の切ない表情が頭から離れない(;_:)
考えれば考えるほど切ない話だった。
監督としての才能が花開かず、林见东は故郷の香港に帰ろうとしていたところ、孙纳に引き留められて、北京に残り、一緒に暮らすことにした。
貧しいながらも、お互い夢を追いかける日々。
しかし、先に夢に近づくのは孙纳。彼女はアメリカ出身の監督に「一緒にアメリカに行かないか」と言われ、承諾した。
林见东のことを愛しているとはいえ、夢のためなら愛を捨てることが出来る人だった。結局アメリカ行きに関しては無しになってしまったが、その時から孙纳の気持ちや意志は変わらなかったのだろうと思う。
林见东は、「アメリカに行くな、僕も香港へ帰らないから」と彼女を抱きしめる。しかし、孙纳はある日突然、林见东の前から姿を消した。
それ以降、10年間も夢でうなされ、自らも俳優になり、孙纳との共演まで掴んだ。
「憎い」と言いながらも孙纳を想い続けた。
「君をまた失うみたいで夢から覚めるのが怖かった」
涙を浮かべながら苦しそうに言った林见东。
本当に苦しそうだったな....。
その後、2人で北京に戻る。昔一緒に暮らした部屋にあった録音機には毎年のようにこの部屋に訪れていた林见东の声がとられていた。
「一回だけでいいから、引き留めないから、北京に戻ってきてくれ」といった涙混じりの声など.....。
このまま2人はよりを戻すのか....？なんて思ったらそうではなく。
翌朝同じテープに「昨日のことは全て嘘。本当なのは10年間の言葉だけ」と残して部屋を去っていた见东。
(朝からテープをぼうっとしながら聞く孙纳)
軽蔑しているひとを愛してしまった。だから、自分自身のことも軽蔑するようになってしまった...と話す见东。
でも結局引き返して来てしまうんです。
本当は10年前、突然消えた彼女のように今度は自分が嘘をついて、復讐をして、去りたかった。でも、彼にはそれができなかった。
彼は10年前のままだった。
ずっと、愛する人の夢を心から応援できず、裏切られた辛さからも抜け出すことができていない。
孙纳はこんな见东のことを前から気づいていて、だから自分の夢を優先したのかなと思いました。
见东は純粋にずっと2人の愛を信じていたのがなんとも居た堪れないですが.....。
この後、どうなるのかと思っていたら、以外ない人物が孙纳にとって重要であることがわかります。それはまさに聂文でした。
映画がクライマックスに近づくにつれ、劇中のミュージカル映画も撮影もクライマックスに。記憶を失ってサーカス団に入った小雨（孙纳)とその元カレ张扬(林见东)，そしてサーカス団長(聂文）に三角関係を描いたミュージカル映画を聂文は撮っていたんですが、内容はもはや現実世界とシンクロしまくっている。
最後は、サーカス団長と小雨の空中ブランコのシーン。かなり高い場所にある空中ブランコ。団長が小雨に飛びつかむところで、わざと手を離した団長。落ちそうな彼を必死に掴もうとする小雨。
小雨は本当に落ちて死んでしまうと思ったんだろうか。するりと落ちていく団長を見ながら小雨は涙を流す。下にマットがあり、本当に死んだわけではないと分かった後も静かに泣いていました。
役としては小雨ですが、涙を流していたのは孙纳なのかな、と思いました。
「ああ、孙纳が今愛しているのはこの監督のことなんだな」と。
まぁ....結局3人とも別れを選ぶんですけどね。結果はどうであれ、あれだけ林见东の健気な思いを見せられていたのに、孙纳は結局聂文を愛している、と分かったことが切なかった。聂文自身も長年一緒に作品を撮り続け、大切に想ってきた孙纳と離れることを選んだのはすごいなと思いました。1番大人だったのは聂文かな
あとそういえば！北京の冬の景色と上海の撮影スタジオの雰囲気が老上海な感じで目で見ても楽しめる映像だと思いました。
余談ですが、この映画を見て意外だったこと！
⭐︎金城武演じる林见东と周迅演じる孙纳の恋愛話のように見えるが、そうではない。张学友演じる聂文の存在が非常に重要！
映画のポスターは武大先生と周迅の2人しか写ってないものが多いですが、主役は张学友だったのかな？！と思わざるを得ないくらい大事なポジションにいました😂
元々はミュージカル映画が苦手なので、好きだったらもっと心に響いていたのかなと思います。
有名な監督の作品ですし、見る価値はあったとは思います。
もしもう一度見るとしたら、日本語字幕で見たいな。
