年末年始は諸事情で手をつけていなかった毎年恒例の「2022年版印象に残った中国映画」。
2022年を振り返ってみると、中国映画より韓国映画、映画よりドラマな一年だったと感じています。
それもそのはず、下半期にかけて韓国映画(特に法廷、サスペンスもの)を見漁っていただけでなく、一年に2、3本見れば多い方だったドラマを中韓合わせて15本近く見ていました。
反対に中国映画は30本〜40本くらいしか見れておらず(少な)、数ある試聴済み中国映画の中から好きだったものを選ぶと言うよりは、限られた本数の中から印象に残っているものを選ぶ感じになりました...。(あ、でも毎年そうか?)
そして今回は前年からさらに減り、1作品だけの紹介になります。
視聴後どうにかして記事にしたいと思って作品ではあるので、良かったら見ていってください。
无人区
作品名:无人区(No Man's Land)
監督:宁浩
公開:2013年12月
主演: 徐峥、黄渤、余男、多布杰、王双宝など
类型: ドラマ、犯罪
評価:douban 8.3
配信プラットフォーム:iQIYI
あらすじ
2022年の1月2日にみたと記憶している作品。
filmarksではあらすじが以下のように紹介されています。
広大な荒れ地が広がる中国大陸辺境。密猟者の弁護を受け持った都会からの弁護士が文明の常識が通じない田舎で遭遇する野蛮と狂気。彼はそこから脱出することができるのか?
感想(ネタバレ込み)
もう少し詳細を付け加えると、警察官を惨殺した国鳥密猟集団「盗猎团伙」の老大の弁護を受け持ち、無罪を勝ち取った弁護士・潘肖が主人公。
潘肖は老大から弁護料を受け取ってすぐに帰ろうとしますが、老大は支払おうとしません。そこで潘肖は10日間の支払い期限を設け、老大の車を差し押さえました。
そして潘肖は老大から担保したフェラーリに乗って大都会に戻ろうとしますが、その帰路にある「無人区」と呼ばれる砂漠地帯で、様々な事件に巻き込まれます。
・大型トラックの運転手に煽られて窓が割れる
・フェラーリを取り返そうとしていた老大の息子を轢き殺してしまう
・道中のガソリンスタンドでぼったくられる
・ガソリンスタンドにいた娼婦に嘘をつかれ、そこから逃げ出す手助けをさせられる
...等々、大きなトラブルへ次々と巻き込まれます。
そして主人公も含め、トラブルを引き起こす登場人物は全員、自分の利益のことしか考えていません。
そのため自分の為であれば、自らを死の危険に晒してきた敵の人間と、ある目的を達成するために結託さえしてしまうような状況。
物語の中で起きるトラブルも、日本で生活していれば現実的に遭遇することはないような、非現実的なものばかりです。
しかし、逆に言えば、「無人区」のような混沌とした世の中では、人々は自分の利益だけを追い求め始め、簡単に人も殺せてしまうことを表しているのではないかと思いました。
また、このような世の中で正義を貫くことは、おそらく何の役にもたちません。
主人公は最後、嘘をつき続ける娼婦を助け、国鳥の密売で大金を稼ごうとする老大を追求しようとします。今まで利己のために人も殺せた人間が、正義のために動くのです。
ところが生き残るのは娼婦のみで、正義のために人肌脱いだ主人公は死んでしまいます。
自分の身を守るためならば、正義よりも不義を貫くことの方が賢い
利己のためなら他人の犠牲を厭わない
これが人間の本質と言い切ることはできないかもしれませんが、少なくとも戦争などの混沌の中にいる人間はそうなり得るだろうし、今後このような世の中が訪れる可能性もなくはないのかもしれないという危機感を、この映画を見て少し感じました。
今考えると、2022年の幕開けに見るには重すぎる内容だった気がします。
2時間近く人間の蹴落とし合いを見せられており、笑えるポイントも少なかったですが、なぜか引き込まれて見た映画でした。
コロナ禍が始まる直前の2020年1月頃撮影をしていた《漫长的告白》(柳川)も印象に残っているのですが、ちゃんと理解できていないので今回は選びませんでした😰
无人区、気になる方は見てみてください。
iQIYIでみれました!