これの2019年版をつい先日書いたような気がしているけどもう1年経っているんですね....。
<中国映画> 2019年版・印象に残った中国映画3選 - モチベはアイドル
今年は全部で55本の中国、台湾、香港映画を見ました。その中で印象に残っている2本を選びました。(紹介順番に特に意味はありません)
①香港制造(1997)
詳しくはこちらの記事に書いています。
《中国映画》香港製造(1997)を見た。 - モチベはアイドル
今回は紹介する必要もないかな?と思いましたが、やっぱり今年見た映画の中でも特に印象に残っているので選びました。
ストーリーは自殺した少女の遺書を巡って進んでいきます。
中学を中退し、真当な仕事もせず、ヤクザの手伝いをしている主人公・チャウが取立に来た家の女の子は病気持ち、遺書を拾った弟分のロンは知的障がい持ちでいじめられっ子、母は金を盗んだチャウに呆れて家出など...。
全体的な諸設定しかり、時代背景もあってか、鬱々とした雰囲気が続いていく。
取立はできるが、人殺しだけはできなかったチャウが、弟分の死を機に豹変するところが印象的でした。
憎しみが生み出す力って恐ろしいく強いんだな...と。
起こる出来事すべて救いようがないことばかりで、見てるこっちも重い気持ちになりますが、そんな中でも自分が生きたいように生きているチャウが羨ましくも感じた映画でした。
②睡沙发的人(2017)
(あらすじ)
仕事も勉強も、何もしたくない。そんな無気力で甘ったれだった少年が、気難しい性格のせいで家を追い出された叔父と生活を始めることになる。最初少年は、叔父と暮らすことを嫌がっていたが、叔父との「文字のやり取り」をきっかけに自分自身に気づき、才能を開花していく話。
(感想)
息子を高校留年させてまでしても大学に行ってほしい母と、大学に行ってもやりたいことはないからと、真面目に勉強しない息子。(というかできない?)
一方で、気難しい人に見えた叔父でしたが、母親のように少年へ勉強を強要するのではなく、少年の文章能力にいち早く気づき、それが育つようにアシストしてあげていました。
母親の気持ちも分かるけど、いい大学を出て、大企業で就職して、というエリートコースが万人にとって幸せかというとそうではないし、誰にでもそういう生活が送れるわけではない。
叔父のように、子供が好きなことや、やりたいことは何かについて自分で気づかせ、それを応援することができる親が理想的だと思いました。
叔父の語らない優しさにうるっとくる話です!
監督が自らお金を出して作った低予算映画だと言われていますが、上海国际电影节やFIRST青年影展などで賞をとり、豆瓣上でも7.8評価と比較的高評価となっています。
こうやって2つを並べてみると、どちらの主人公も「なにもしたくない」という共通点を持っています。
私自身が人生に迷っている今だからこそ、心に響いたのかな、と思った2作品でした(笑)
誰にでもおすすめしたいですが、特に前者は同年代の子、後者は子供を持つ親に是非見てほしい作品です。
去年までは映画初心者ということで展開が分かりやすく、感情が揺さぶられるような話が好きでしたが、今年は淡々としているけど何か心に訴えかけるメッセージがある話が好きでした。
また、名作と呼ばれるような作品や、今年公開から2〜3年前公開の比較的新しい映画をたくさん見ました。色んなジャンルに挑戦できて楽しかったです。
来年もいい映画に出会えたらいいな〜!