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《雑記》文系院生、就活のぼやき

 

文系院生 就活のぼやき

 

 2021年5月(修士一年)からゆるゆると始めてきた就活が最近になってようやく終わった。情報収集から始まり、夏休みのインターン参加、10月の初面接、2022年1月末に本格開始、そして5月に終活。本腰を入れ始めた時期から数えると、大体4ヶ月くらいは毎日就活に励むような状況だった。

 元々2022年の2月までには終わらせたいと思っていたので、2ヶ月以上もオーバーして終活に至ったことになる。長引いたことからも分かるように、終活までの道のりは平坦ではなかった。一方で、就活を通じて成長できた部分や気づきになった部分も多々あったと感じている。

今日はそのことも踏まえて、ここに就活記録を残しておきたいと思う。

 

 

 

 

 

就活で直面した問題

まず、就活をしていく上で私が直面した問題は主に2つあった。

(1)仕事を通して実現したいことが不明確

(2) (1)故に、一次面接で落ちまくる

 

(1)仕事を通して実現したいことが不明確

 これは所謂「就活の軸」(選社の軸となるもの、仕事において重視すること)の一部のことで、一般的には「実現したい理想の社会/将来がある→御社の事業の〇〇に携わってその理想を実現したい」といった流れで志望動機を伝えるといいと言われている。

 

 志望動機が曖昧だと落とされることは明らかだし、就活の軸はどの選考フェーズにおいても聞かれる可能性があるので、まさしく全ての「軸」としてものすごく重要なのだが、私はそこの一部が定まっていなかった。

(だって仕事は自分が生きていくためにするのであって、社会をどうこうしたいというモチベではやってない...ゴニョゴニョ...)

 

 この軸を決めるためには「自己分析」が必要だと言われており、私自身も相当な時間をかけて自己分析を行った。時間にすると24時間以上、枚数だとルーズリーフ15枚分くらいは自己分析に費やしたと思う。しかし、最終的に軸がしっかりと定まったのは3月末だった。

 初めはモチベーショングラフの作成から始まり、今まで頑張ったこと、得意なこと、苦手なことを書き出す方法も実施したが、最終的に軸を定める上で重要だったのは、「人に壁打ちすること」だったと感じている。

 

 最初やっていた方法は、ひたすら自分の過去と現在の経験と考え方を振り返るものだ。こうした自分自身との対話は自己分析における基礎であり、非常に重要だと思われる。しかし、1人でやり続けても答えが見えないままモヤモヤし続けるだけだと途中で気がついた。

 そこで、社会人にOB/OG訪問ができる「Matcher」というサービスでマッチングした方に、一回1〜2時間、全5回くらい自己分析の壁打ちやサポートを行っていただいた。(全ての出来事を「なぜ?」で掘り下げていく方式や、樹形図を作って重要だと思う要素を絞っていく方法など)

 そして、就活エージェントにも自己分析をお願いした。形式としては、メンターの方が私自身の経験を聞きながら「こういうことがしたいんだよね」、「いま言ってた〇〇の経験がこういう軸になるかもね」と簡潔にまとめてくれた。合う合わないがあるので一概には言えないが、私は就活エージェントを利用して良かったと思っている。(エージェントにとって都合がいい方向に丸め込まれるのは良くないので、違うと思ったらはっきりとその考えを伝えることを意識していました。)

 以上のように、できるだけ多くの人にフィードバックをもらうことで、「自分が本当にやりたいことは何なのか」を絞っていった。

 

 

(2)(1)故に、一次面接で落ちまくる

 

 就活の軸で悩んでいた頃、同時に直面していたのは「一次面接に落ちてしまう」という問題だった。

 2022年2月ごろまでに、私には第一志望の企業が3社ほどあった。しかし、その全てにおいてまさかの一次面接で落ち、という屈辱的な経験をしており、「なぜ私はまだ志望動機も聞かれていないような序盤の段階で落ちてしまうのか」としばらく悩んだ。人格を否定されているような気持ちにもなった。(大袈裟かもしれないけど、実際「人柄」や「表面的な人当たりの良さ」などで落とされているのは事実)

 

 ちょうどその時期に、同じ学府の友人(中国の留学生)と久々に連絡を取ったのだが、彼女は既に就活を終えていたことが発覚。翌日、詳しい話を聞くために一緒にご飯を食べに行ったところ、彼女は第一志望としていた大手外資系IT企業に内定をもらって終活していたことがさらに明らかになった。

 「志望業界も志望企業も違うし、比べたところで全く意味がない」と思いながらも「身近な人が既に内定を貰っている中で、自分は一次面接の段階でもがき苦しんでいるのか」...とその時は絶望した。

 

 一方で、今思えばあの日、友達に会って良かったと思う。

なぜなら、超ポジティブ思考の友人が「藍天ならできるよ!」と声をかけてくれたおかげで、少し前向きになれた気がするからだ。また、「面接前は5回くらい模擬面接をしたら大丈夫」という友人のアドバイス通り、その後はMatcherで模擬面接をお願いする回数を増やした。その結果、4月に入ってからの一次面接では殆ど通過できるようになったのだ。

(その後、「二次面接に合格できない」問題に直面しましたが、そこは割愛します...)

 

 

 

就活を通して得た気づき

①就活は自己洗脳からスタート

 初っ端から変な気づきを共有してすみません。

 これはどういうことかというと、自分自身を就活にモチベートするためには「私は社会を変える人間だ、だから絶対に〇〇に携わりたい!」くらいの思い込みを自分の中で芽生えさせることが大事なのではないか、ということです。自分自身を「働きたい」という考えに洗脳するのです。

 私のように、就活をすることに対してなかなか意味を見出せなかった人や、就活をするやる気が出ないくせに、そこそこ良い企業に就職はしたい、〇〇の仕事はしたくない、と思っている現実逃避族は特に必要なことではないかと思います。

 そうは言っても、どうやってこの思い込みを作り上げるのかが問題ですよね。私の場合は、「社会人にOB訪問をすること」で働くイメージが湧き、社会に貢献したい気持ちが少しずつ芽生えていきました。そして、「もうそろそろ就活しないとやばい、と焦る」ことも重要だったと思っています。

(仕事をし始めてから理想と現実のギャップに苦しむかもしれないですが...まあそれは一旦置いておいて...)

 

 

コミュ力+一貫性で人は就活を無双できる?!

 元々コミュニケーション能力がある人には、他の学生よりもアドバンテージが1000くらいあると考えてもいいほど、就活は「コミュ力」であることを痛感しました。

 ここでいうコミュ力とは、面接の堅苦しい雰囲気を自分のペースに持っていける力や、意見を求められてすぐに答えられる瞬発力、自分の経験や考えを論理的に伝えられる力を総称したものだと思っています。これが元から備わっているだけで、少なくとも一次面接は普通に合格できると思われます。

 

 上で述べた中国人の友人は、インターンと本選考を含めて面接には一度も落ちなかったらしく、自分でも「面接は得意だ」と言っていました。その理由はなぜか、と問いかけると、「小さい頃から自己肯定感を高く持つように育てられたし、昔から人と話すことが大好きだからかな?」だそう。

 確かに、その子と話していると、素直さ、明るさが伝わってくるし、話も上手だなと思っていました。

 さらにOB訪問をしていく中で出会った、短期集中型就活(1ヶ月など)で内定を貰った方々は、学生時代に部活・アルバイトを通じて人と話す機会を常に持っていました。

 友人や彼らが就活を本格的に始めてすぐに第一志望の企業に合格できた一因には、こうした「コミュ力」というある意味での素養も関係しているのではないかと思います。(私にはこの力が足りなかったみたい)

 

 私は元々人前で話をすることも、瞬時に受け答えすることも得意分野ではないのですが、大学院に進学してからその傾向がさらに強くなったと思っています。普段から友達と会う時以外は部屋に引きこもってドラマを見たり、研究に関する本を読んだり、という生活をしていたせいで、世間話もおぼつかないことが多々ありました。

 

 私のような「話すことがあまり得意ではない」と自覚している人間は、まず面接準備から始めると、より円滑に就活を進めることができたのではないかと今更ながら思います。

 また、面接準備は「これくらいやったから」と妥協せずに、準備し続けることが大事だと思いました。自分では「たくさん準備した」と思ったとしても、実際には元々コミュ力がある人の土台レベルにも到達できていない時がほとんどだからです。

 私は就活に本腰を入れ始めた当初、週に2回ほどMatcherの方と模擬面接を行い、さらに毎日2時間1人で面接練習(Zoom録画)を行なっていました。「これだけ頑張ってるから大丈夫」と思っていたのですが、それでも一次面接に落ちていました。コミュ力ないってつらすぎ!(でも模擬面接の回数や本選考の面接に参加する機会を増やせば、「コミュ力」は案外すぐに身に付くものでもあるので、やはり「慣れ」が重要なのかもしれない)

 

 さらに、就活ではコミュ力にプラスして必ず「一貫性」が重要になってくるかと思います。具体的には「過去何をやってきて、どういうことを感じたから、将来〇〇をやりたい」という一貫性です。将来やりたいことが明確な人、もしくはものすごく頑張ったと思える経験がある人は、この一貫性を見つけやすいと思います。

 またまた例の中国の友人の話ですが、彼女はガクチカ(学生時代一番頑張ったこと)のエピソードと就活の軸、会社でやりたいことがものすごく一貫していると感じました。面接で話していたエピソードを聞かせてもらった時、「こんなに一貫している子なら確かに企業は内定をだしたくなるよな」と納得しました。

 

 

③学生時代は「目的意識をもって物事に取り組む」ことが一番大事

 就活生の中には、ガクチカ(=学生時代に一番頑張ったこと)で迷う方も多いと思います。私の場合、学部生時代に「就活で話せるエピソードを作っておきたい」という動機でいろんなことに挑戦していたため、ガクチカには苦労しませんでした。しかし、就活を進めていく上で「私のガクチカってガクチカじゃないかもな」と思うようになっていきました....。

 

 なぜそう思うようになったのか、についてですが、そもそも私は何かに挑戦する動機付けが「興味関心、好奇心」であることが多く、「〇〇の力を身につけたい」とか「〇〇について学びたい」といった目的意識を持って始めたものは非常に少なかったです。理由は後付けというか、何かを始める前に「これってなんの意味があるんだろう」と考え始めると逆に行動できなくなるというか...笑(←分かるよ、過去の自分)

 さらに、学生時代はオタ活と勉強の両立で忙しくしていたので、部活やサークル活動に割く時間がなく、それらはなあなあでやってました。

 したがって、学生時代においては長期間取り組むことよりも、好奇心が動機となって短期間集中で取り組んだもの(国際交流事業など)が多く、言って終えば困難がほとんどありませんでした。故に「頑張った」感が伝わりにくいですし、エピソードのインパクトが強いだけで中身が薄いと後々実感していきました。

 

 ちなみに唯一、長期間目的意識を持って取り組んだ留学準備は、1人で頑張ったことなのでガクチカ向きではないそうです。学部生時代の就活時からいろんな人に、「中身が薄くてもいいからチームでやりきったことをガクチカとして使った方がいいよ」と言われてきました。「本当に頑張ったことなのになんでガクチカに使ったらだめなんだ?!就活のこういうところが嫌いだわ〜」とは思いつつ()、就活をスムーズに終わらせたかったので、ガクチカでは違うエピソードを使い、自己PRで留学準備のことを話していました。(結果スムーズではなかったですがw)

 

 そして就活を終えた今感じていることは、「普段から何事も目的意識を持って物事に取り組むことが重要」だということです。目的意識を持って行動していれば、たとえ小さな挑戦であっても、短期間集中で取り組んだ物事だとしても、その行動を経て学びを得やすい気がします。その結果、ガクチカの内容の薄さで悩む必要もないですし、面接における咄嗟のエピソードトークにおいても一貫性や深みをアピールできると思います。今更気づくなんて遅すぎますが、今後はこの気づきを活かして、目的意識を常に持って行動していきたいと思います...。

 

 

④「素で挑んだ方が合格する説」は本当かもしれない

 私が就活序盤において悉く一次面接で落とされていた原因には、ガクチカをスラスラと話せない暗記がバレている話が長いなどいろんな理由はあったと思いますが、逆に受かるようになった理由の一つには「素で挑めるようになった」ことが影響しているのではないかと思います。

 例えば以前はアイドルオタクの話を「ガクチカ」としてすることはありませんでしたが、「本当に熱量を注いでやってきたことだし言っちゃおう」と思って話し始めた後の面接では大体受かりました。「どういう人間なのか」が相手に伝わるようになったため、受かっていたのかなと推測します。また、「〇〇な環境下であなたならどうする?」系の質問で、「一般的にはこう言った方がいいだろう」ではなく、過去の経験に基づいて本当に考えたことを話すことも大事な気がします。

(客観的に見て、他の人は考えないような変なことを面接で言ってしまったことが何度かありますが、割とそういう話の方がウケが良かったりします。その人らしい個性と判断されているのでしょうか?)

 

 しかし、あまりにも素すぎるといいますか、自身が本気で感じている弱点(私であれば、人を頼ることが苦手、じっくり考える癖がある)などについては言わない方が良さそうでした。それを言って最終面接に落ちたこともありました。

 とにかく、自分が頑張ってきたことや考え方は、取り繕わずに素のまま挑む方が良さそうです。そもそも、能力ではなくポテンシャルで採用されるなら、自分の本当の姿を受け止めてくれる会社で働きたいですよね。

 

⑤ビビらなくていい

 私は最終的に有名な企業とそうでない企業、ベンチャー規模、大企業など様々な種類の企業を受けましたが、何方かと言えば前者かつ名が知れ渡っていないニッチな企業の方が多かったです。意識したつもりはありませんでしたが、有名大企業をそこまで受けなかった理由を振り返ってみると「ビビっていた」というのもあると思います。笑

 

 まず私は、グループディスカッションか集団面接がある企業は極力避けていました。理由は、1dayインターンのグルディスにおいてうまく立ち回れなかった経験が多く、苦手意識が自分の中に芽生えていたからです。「苦手なことに消耗して自己肯定感を失っていくのは嫌だな」、「グルディスの結果で自分という人間を判断される企業は嫌だな」と思ってはなから受けないことにしたのです。こうなると、有名な企業は大体省かれます(笑)

 しかし就活終盤にかけて、どうしても気になる企業に関しては、グルディスか集団面接を課していても受けることにしていました。それを乗り越えてきた今だからこそ感じることですが、「自分の選択肢を狭めてしまっていたな〜」と思うし、「そんなにビビらなくても意外と受かるよ」と過去の自分に伝えたいです。

 

 

 

終わりに

 就活をしていく中で、今まで一切なかった吃音やストレス性皮膚炎を発症するなど、ストレスが身体にも現れていました。面接準備に追われて夜中に目が覚めるなどの寝不足が続いた日もあります。こうした体調面以外にも、一次面接を突破できないもどかしさ、同期との比較など、心理的なストレスも多かったです。

 そのため、もう一度就活をしたいか?と聞かれれば絶対に「NO」と答えますが、自分の人生を振り返るきっかけになった、自分が大切にしてきた考えを再確認できた、人前で話すことに対する抵抗感が薄れた、といった成長した部分や学びがあったのは良かったです。就活をしたからこそ得られたものがありました。

 

 最後に、「文系院生の就活は難しい」と言われたりするけど、周りの同期をみていると「個人差」でしかないと感じています。むしろ就活が上手くいっている人の方が多かったです。私の場合は、よく言われる言葉通りになってしまった例ですが、苦手な部分を早めに理解して対策をすれば、周りの同期のようにスムーズに就活を終えることができたのではないかと思います。

 

 以上、あんまり参考にならない個人的なただの就活記録になってしまったと思いますが、この記事を見ている誰かの励みになれば幸いです。